歯がなくなる一番の原因、それが歯周病です。
どのような病気かというと
歯の周囲の骨、つまり歯を支えている骨(歯槽骨)が様々な原因により徐々に無くなっていく病気です。
この病気は歯科の領域の中で一番厄介なものです。理由は3つあります。
自覚症状がほとんどないということです。
これは虫歯も共通することなのですが、余程のことがない限り痛くなりません。
また、痛みが出ることが問題の病気ではないのです。
ほぼ全ての人が罹る病気だということです。
歯周病というものは実は慢性疾患であり、例えば高血圧や糖尿病などと同じ生活習慣病のひとつといえます。多かれ少なかれ歯茎の腫れていない人はおらず、歯を支えている骨が一生全く減らないという人もいないでしょう。要は程度の問題なのですが、殆どの皆さんが罹患されているともいえるでしょう。
基本的に治るということがない病気だということです。
歯を支えている骨が無くなっていき、歯医者で治療を始めたとしても元の状態には戻らないことが多いのです。
つまり、症状の有無にかかわらず全ての方にとって注意が必要な病気といえます。
治療としては、先ず原因を取ることが最重要事項となります。
歯の汚れ(歯垢や歯石)が主な原因の方では、とにかく汚れを全て取ってしまうことが肝心です。これは、あまり痛くありません。歯石がたくさんあった方にとっては、むしろかなり口の中がスッキリして気持ちいいかもしれません。
そして、肝心なことは常に口の中をキレイに保つことなのです。ということは、ご自身での毎日の歯磨きのレベルアップも必要になってきます。ただ、世の中には器用な方、そうでない方がいらっしゃいますので、その方に合わせた道具を紹介したり方法を伝授したりといったことが必要になります。
また歯の汚れ以外の原因をお持ちの方も少なからずいらっしゃいます。
例えば中程度以上の糖尿病の方は歯周病が重症化しやすい傾向にあります。そのような場合につきましても基本的には原因の除去が歯周病の治療の第一歩となります。
歯周病は慢性疾患、生活習慣病であるということから薬を飲めば治るという病気ではなく、高血圧の治療のように重症化しないようにしっかりとコントロールしていくような治療が中心となる病気であると考えてください。